やっとの 想い出
          口づさむと
          かすれて 途切れるのが 怖い

          遠く 届きそうな ため息よ
          遠く 届いて 欲しいけど

           キャップの下の 真っ直ぐな
          眉と瞳を 想い出す

          あの頃 何も 覚えなかった
          真っ直ぐな わたしを
          あなたは ずっと 忘れない
          あなたは きっと 覚えてる

               胸 締め付けるよな ため息よ
               心 開いて 欲しいけど

     意外な 想い出
         記憶という
              忘れるための 薬が 欲しい

              もうじき できる 迷路よ
              いつか並んで 歩くのだと
              そう ささやいて 欲しいけど

         あなた たたずむ カウンター
         勝手に ライト 当てていた

         今頃 私が ひとり立ち
         カラのグラスを ながめてる

     無理矢理 想い出
          去るけれど
          もうじき ここも 去るけれど

               声が かすれて しまうかも

               確かめられるのが 怖い

               確かめてみたいけど 怖い









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