おとな でなら 駆け出せなかった
うしろ姿 どこまでも

見渡せるだけ 陽影のない
とうもろこし生った 草大海原を
クロールして 分け入って
土けむりに シャツ 揺らし続けて

彼の瞳が 笑んだのを

彼女の笑みが 抱いていた



彼が 笑んだ 一秒を

彼女の 永遠 追いかけてった


お金では 買えないから どうしても

肌足に踏まれた 草々が
揺さぶられてしまったね

胸 いっぱいで 包まれて

花の王冠 編んでいった


西風乗せて 吹く声も
ふたりが 結んだ 指先も

花の首飾り 編み上げていった
仕上げて行った

行ってしまった

彼の瞳が 笑んだのを

ずっと ずっと みつめていた


ずっと ずっと みつめていた




      〜 イメージ「 ロンリー・ブラッド 〜 At close range 〜 」より

T と B に 捧げます Thanks 〜



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