手の平に書いた
文字を握り締め
強く君に届ける
翼で空に広げる

眠りかけた月に
頼りかかる涙を
行く方に昇る陽の
間近に蹴散らす

架かる虹の色に迷っても
僕は怖気ずこの目で追おう

麓に産まれた魚が戻るように
君の流れのままに河を下ろう

差し向いに交わる海と海で
僕は舵のままに君とすれ違う

迎え待つ波にのまれても
僕は覚悟で水面まで向かおう

ねじれる渦に溶け合う海と海で
背中合わせに君とすれ違う

近づき過ぎた羽根が折れても
僕は満ち潮のたびに君を愛する

止まない嵐と分かって辛抱強く

かいていく水の美しさを語って

焼いていく光が放つ力を信じて


Drop










 by   mito-rino  2012 / 01/ 01 /