蒸し暑いつま先に くつ下を重ねる

唐突に探した温みに 身震いをする


たたみ込んでくる 歌声の感触

始まって欲しくない 旋律の手前で

頭に巻き戻す


受け入れがたくも 堅く

ほんのりした後悔が かすめる

安心したがるには 甘く

振りほどいた夕焼けが 止む


その時だけを待つ

彼方が姿を現わす日を

繰り数え歳を足し合わせ

剥き出した感情を治め合い


その人だけを待つ

彼方が駆けつける丘に上り


強い樹の下で寄り添いましょう

庭の吹く息の音を聞きましょう

摘まれないただの花で

居ましょう












 by   metoeruri  2012 / 07/ 20 /