時計を腕からはずして出かけた
身軽な肩に沈黙が被さる

慣れない建物たちが通り去る
電車の窓から西日が射す

丸い池の周囲を回り
出会いがしらに目を伏せた

高いねと私が言う
丸いねと君が言う

十三夜の月を見上げて言う
綺麗ねと私は黙る

稲光りが近づいて来て欲しい
ギターの作る音色のように

打ち砕き負かして欲しい
心もとないくじけた迷いを

幾千年かかる光の世界では
いつの日にさし向い合える

花咲き誇る天国の世で
いつの日に分かち合える

遠くて在る星の世界では
いつめぐり逢えたとわかる

しんしんと積もる

わたしたち
















 by   mito-rino  2011 / 11/ 13 /