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コミック原作。
とにかくベタで臭いのだが、微妙に惹かれてしまう作品なのだ。
ライバル同士、片方は世間知らずの裕福なお嬢様、その彼女に妬み・ひがみから近づいてはすれ違いを巧妙に利用する家庭問題をかかえる音大生。
関係図もわかりやすく繋がっていくので、ストーリーはいたって単純。
レコード会社副社長の放った言葉、勝負には『その業界の表と歌を知ること』
バチバチなプライドがぶつかり合うけれど、歌を愛する気持ちは同じ、ふとしたきっかけでデュエットすることになった舞台で味わった快感と高揚感、、、たった一回のステージングを終え、 別々の国に留学していくところで終わる。 「もう二度と会うこともない」「初めて意見が一致したわね」
一流にのし上がっていこうとするスポ根ものとしても、歌うことに対する憧れと畏れを 成長させていく友情ものとしても、十分楽しめる一作である。
ステファニーの歌唱力は気持ちよく、満島ひかりの役作り（しつこさが彼女独特）のハマリ度にも注目できる。
音楽担当として、清水信之がクレジットされているところもツボ。 ★★★★


　　

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いつのまにか甘ったるい純愛ソングを選んで聴いていた。
一夜明けてからも、この曲を聴けば、喉元から飲み切れない切ない想いが沸き出してくる。

忘れて過去を、忘れて明日を〜今日から記憶されていく今この時からが、また人生。
彼女の胸には子どもが抱かれていた。それをまた腕で抱きとる彼が居た。月日が流れて来たことがわかるが、皮肉な入れ知恵を投げつけながらあっという間の早技で利口に流れていってしまう月日というのが、こんなにも優しい別の顔を見せることもあったのだ。はっとなった。
人の心の真実というものは、人の心の真実を通して映し出され浮き彫りになる、日常の傍らでささいな間違いを犯すことはあっても嘘はついていないつもりでも、目で言葉で気持ちを告げるしかない人間は、打ち明けられた側の求めに応じてたちまち真っ二つに断罪される宿命を持つ。
彼女は、目にしたこともない過去と目にしていない未来を創ることが出来た。言葉にする前の言葉を紡ぎ綴り込む事で、裏切らない真実の世界へ飛び込むことが出来た。そのまっすぐで偽りのない約束を、たった独りで遠い土地まで届けに来たから。
背けない真実を持つことのできる人は幸福になれる、そしてこの兄弟に流れていた愛情と愛着の結実は決して相手を見捨てないという約束だとわかったし、どこまでも寄り添いどこまでも信じて愛を献じて疑わないということだったということも。
「この僕と愛を分かち合って生きていってくれますか」上手いっていなくても格好よくなくっても、不器用でも。ひと言で決心した私は貴方に花を摘み水を汲み、そしてずっと手紙を書き続けることでしょう。決して届かない手紙だとしても。

名前を呼ばれて振り返ることはない、船を出した国にはもう帰られないすべての人に、この作品を観てもらいたいです。
この作品の脚本と初監督をしたジャン・サルディの『きみに読む物語』もとても素晴らしい作品で大好きです。個人的にファンであるジョヴァンニ・リビジの抑えた演技、でも強くしなやかな個性がとっても活かされていたし、珈琲店の常連客とやりとりしながら壁に海の絵を描いていた放浪絵描き人の姿と存在感が、本当にいい味出してました。 ★★★★★


　　

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何度か鑑賞していた作品だが、急にまた観たくなった。
わたしが推している「マイ・ルーム」とどこか共通する感慨を持つ、私にとっては味わい深い秀作だ、と思う。
タイトルクレジットには、ロバーツとサランドンの名が肩を並べて出ている、素晴らしい競演でもあり、ともにプロデュースに関わってもいる。
エド・ハリスが端役としてあまりパッとしていないのだけれど、それでも随所の演技には、私の好きなブルーの瞳が輝きを添えている。
たとえ夫婦間の愛が形を変えても、絆として強く結びつける子供たちの存在は大きい。たとえ愛が冷め溝が生まれても、子への愛情はこれほどまでに尊い。
サランドンの子へのまなざし表情の素晴らしさ、子への何ものにも代え難い深く厚い愛情表現と、厳しく強くそしてあまりに正しくもある母親としての責任感・義務感は相反せず、しっかりと同居している。また、それに応えるべく子たちが、母親を芯から慕っているその姿・行動は、驚くほど純粋で壊れがたい。

この家族に、ある男に恋したために係わりを持たざるを得なくなり、愛情の輪の勢いの果てポンとはじき出されるキャリアウーマンを、ジュリア・ロバーツが熱演している。はじき出されつつも、子たちに自分なりに歩み寄ろうと奮闘するうちに、、、、、。

見習おうなどという発想はなく、あくまでも自分流、「私も愛情を持とうとしているんだから無視だけはしないで」という距離だったはずが、実の母親と母親中心に回っている家族たちが、母親の死を迎え入れる月日に共に密着し向き合うことになる。
サランドン演じる母親（ジャッキー）が、死を自らで受け入れていく過程〜いつまでも愛し続けていきたい見守り続けていきたい子への名残り惜しさとますます深くなる愛情との間で葛藤していくうちに、いつしか子の信頼を得ていくロバーツ（イザベル）に対して、託していかざるを得ない「未来」へ思いを馳せていく〜までに、本当に心打たれるのだ。
それに応えようとするイザベルは、生きることに前向きであるからこそ、死に直面しつつも愛情の火をますます燃え上がらせて止まない一人の女性としてのジャッキーの思いに、真摯に丁寧に添おうと自覚を研ぎ澄ましていく。

子供たちのそれぞれのエピソードを若い継母へ語り始め、「あの子たちは選ぶ必要はない、私たち二人を愛するのよ」と願いを託す場面。 「私は過去を、あなたは未来を」珠玉の台詞である。

娘をそっと呼び出し、雪月明かりに二人で見る景色のその目を見張るほどの美しさ、
死を子に知らせ死を覚悟したジャッキーが、子どもと歌い踊る場面、
ジャッキーが心を込めて縫い上げたマントとキルトを子に渡す場面、
イザベルが、子と同身大の写真を、ジャッキーの部屋に並べる場面、

こんなにも愛される子も幸福であるが、
愛すること生きることの意味を心に打ち込むこと刻み込むことができた二人の女性もまた、羨ましいくらい幸福である。


　　

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主演を演じているのが、男性なのか女性なのかがわからない〜アカデミー主演女優賞にノミネートされたほか、ゴールデングローブ賞主演女優賞を獲得〜納得できる情報である、

ストーリーはいたってシンプルであり、終盤になっても印象が変わらない、ただ少年の美しさと主演俳優の上手さ（女性よりももっと「女性」らしく振舞っているところ）が引き立っている。
私は、今までに何度も発言しているように、こういったゲイを取り上げた作品が全般的に好きであり、今回は、また「ロードムービー」の面白さ・心地良さを感じ入ることになった。

知らない者同士が、密室空間で共に時を過ごすうち、その距離感がいつしか意識下で縮まっていく、片方は相手が自分の子だと知っているが、子の方は知らされておらず、無邪気なまま。そしていつしか告白する場面を迎え、関係がいったん破綻する、そして再会〜〜〜
シンプルとしか言いようがないし、シンプルだからこそ、私たち観る側に演技に観入る分け前という時間が与えられているのである。

トランスというタイトルがまたいい。この時代になって、「トランス」を受け入れられるかどうかは、倒錯誤解に陥ってしまうかどうかの、もはや人間性の問題になっている、と言っても過言ではないと思うからである。何が起こっていようとも、、、、事実と向き合い、ただちに態度をわきまえられるかどうかの品位が問われる、自分には関係ないこと、というカテゴリーは、もはやこの時代には許されていない領域なのである。もしこの私の理解が間違っていないなのなら、私はこの時代に生きて幸福であり、歓迎されているのだと、感じる、

どんな状況に置かれても、「自分の場合だけ」を念頭に置くこと、他と比べたり卑下したりしないこと、そして「自分の場合」を尊重するのと同時に、同様に、相手の立場や状況を尊重できるかどうか〜コミュニケイション・ギャップを乗り越える気があるのかどうか〜が、ニューエイジ時代においては、重く大きな鍵となっている、そうなのではないだろうか。

エンド・ロールで流れる主題歌を唄っているのが、もしや？と思っていたが、確認したところ、やはりドリー・パートンだった、私の耳とハートは、まだまだ現役で大丈夫みたいだ！



　　

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監督は、「ステイ」のマーク・フォスター、音楽は「ロスト・イン・トランスレーション」のブライアン・レイツェル。
そう知ると、納得できる出来栄えと雰囲気、エンドクレジットで流れる曲が気に入ったので、すぐにサントラを注文した。

ウィル・フェレル主役で笑えるコメディを期待し、借りてみたので、最初の部分で少しガッカリ、、、４日経ってから再度トライ、
エマ・トンプソンまで出て来たので、おっ！とのめり込む。
ある日を境にして、女の声の幻聴を聞き、失調症だとまで診断された堅物で何の面白みもない男が、実は（もちろんフィクションのお話しだが）スランプに落ち込んだ小説家が執筆中である作品の登場人物だった、、、というストーリー。 「私は、８人も主人公を殺して来た」、達者な役者の誰もが真面目に演技しているので、全く可笑しな台詞なのだが、ファンタジーとわかっていても、淀んだ日常の潜在意識の隙間に、シリアスに衝き込んで来る感じ、
まっとうに税金を払うことにではなく、クッキーをホームレスに提供することに生きがいを感じている女性に、税収に通う役人の男が何故か心動かされていく、それは、もしかしたら、赤の他人（このお話しでは、小説を書きながら男に声をかけ続ける作家）があえて第三者のプライバシーに踏み込んでルーティンの毎日に一つのロック（石）を投げ込むことで表され、疑問を持ちながらも＜何もしないで済まして来た＞男に生死に関わる問題を提起し、子どもの時の夢までも思い出させていく〜どこかに置き忘れて、普通ならそのまま生きて死んでしまう人生に、すぐそこまで迫っている死〜という現実的テーマを引き倒させることで、その比重に「気づき」を与える、男が＜何も行動を起こしていなかった＞自分の愚かさを認識していく様は、それこそ喜劇でもあり悲劇でもある、そこを断言しないまま、小説家は、男の死までを書き進めて行く。果たしてリアルな人生の意味とは、生きることなのか死ぬことなのか、または客観的に自分の役を演じて自覚し、日常を送りながらいつか訪れる死を受け入れるということなのか。
そうも賢い人ばかりだと、つまらないのが、人生もである。突然、テレビを観ていたら部屋の壁が打ち壊されて生活が失われることのように、ロックを投げ入れられ気づくことは、他人との関係なしに行えない奇術のようなものである。あとは、奇跡を信じ続けているふりをし続けるか、自分から奇跡を起こすか〜人はときに他人の力を借り、自分から変わることでしか、自分の人生を欲して求め得られるものではないのである。求めていることを隠していることこそ、死よりも本当に恐ろしいこと〜そんな事にハッとさせられる、シビアで楽しいファンタジーである。


　　

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注目すべきは、監督「クレーマー・クレーマー」のロバート・ベントン、
「キャスティングに最も集中し、役者の趣くままに演じてもらった、俳優を信じて」との弁、素晴らしい！

モーガン・フリーマンが出演していれば、ハズレはない〜これは、私の絶対なる印象でもあったし、今回も裏切られなかった。

グレッグ・キニアは、わたしのかねてからのひいきだったが、今回はちょっと印象が違った、とても不甲斐なく情けなく軽薄にも見えるキャラクターなのである。しかし結果的にこう感じたというのは、彼の上手さなのだと考えを変えた。
邦題を直訳すると「愛（着）を欲する者たち」という意味なのだが、これはよくよく吟味された深さがある視点なのである。語り部はモーガンなのだが、彼は哲学専攻の大学教授という設定、仲睦まじく寄り添う妻に「報告」をし、登場人物たちの「聞き手」に回っては、あくまでも寛容に彼らの行動の成り行きを客観的かつ感情移入しながら観察していく。その佇まいは、モーガンでなくしては、表現できないもの。また、妻役がもの凄くいい！この女優さんは「クレーマー」にも出ていたと言う、印象が遠いのだが、とにかく上手い、暖かで重厚な演技に感服。
監督のキャスティングが、全く成功しているのは、配役すべての個性と仕事とに集約されていて、演技に、またその人間性に魅了される。
「ミランダ・ミランダ」のラダ・ミッチェルが裸体をさらしての体当たり演技、初めから失敗のわかっている結婚に踏み出す不安定な決断、揺れ動くこともある芯のある女性像を基調に裏打ちされて、センシティブに体現されている。
また、このお話しの中心となる、クロエ役の女優さん（アレクサ・ダヴァロス）がとっても素敵。柔軟な感性と、何事も前向きに受け入れ他人との関係に飛び込む、運命と人を信頼できる心の健全さとたくましさ、羨ましいくらいである。
セルマ・ブレアも、前半しか出ないものの、役にマッチしていて強烈な印象を残す。
とにかく、一度ではちょっと理解できない「飛び回る蝶たち」のような人物たちの気ままな愛の群像劇が、２回目とじっくり観ていくと、寛容な語り部の優しいまなざしと視点に、自然の営みを確認するように納得させられていくのです。

「神は、最後に笑いを作り、愛に耐えた」〜思い思いに生きていること、自分を愛し人生をなんとか乗り切ろうとあたふたする、私たちすべての時に可笑しく時に悲しく寂しい行いに、愛の力を加味してみることへの、再度の「勇気」、耐えて生きることができて来たなら、これからも楽しもうじゃないか、
私たちの生と愛との交わりある起源を、今ひとたび立ち止まることなく、通り過ぎるように考える機会を与えてくれる、そんなスウィートな、愛すべき作品である！ブラボー！


　　

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わたしのベスト１候補作品。
２回目の鑑賞でしたが、感想をＵＰしたい動機にかられました。
「許す」ことの尊さと、痛ましさ。自分にも誰にも、こんなにも何気に、そして不意に、突きつけられるものではなかったか。
責められるべく人も罪も行いもあるのに、聡しいこの監督も、そんな表現には、舌の先も触れてはいない。過去を振り返られる待遇を得て、絶句するときの人間と、言葉を表して何かしらを乞う人間との狭間は、誰がどうどこで決められるのであろうか。
彼女の台詞には、神が宿ったような感情の終演が響鳴し、深遠な森の国と土地に永遠に刻まれていくようだ。木々と話し、空気と吸いながら戯れ、潜む謎人に語りかける人の、研ぎ澄まされた心の奥深くから絞り出たときの、涙の、その美しさ。

奪われる者、奪う者、ともに贖うもの、、、、それは罪なのか罰なのか。神に問いたい。

愛する者には「チャンスを与え」ようという最後のナレーションは、万人に、失くしたものを川の流れにそっと差し出し、哀しみ底から吹き返して越えていく、そんなたくましさを、蘇らせてくれる。この「チャンス」という言葉に、私の感動は奮えてしまったのだ。そう、誰しも、チャンスを無条件に与えられて初めて、無償の愛を生む自らの命に歩み寄ることができるのだ。 どうか、奪う人にならないで・・・許されざる者にも・・・。わたしにも許せる時が来るのだろうか。


　　

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米国と日本では、背景も法律も違う。
違うけれど、現状では日本はアメリカを１０年遅れで追っている。

若者の決断には、賛否両論あるようですが、
わたしには賛成できました。

親となった大人には、自分からも人生からも我が子からも子育てからも逃げる方法がある、
けれど、幼い子どもは、産まれた親からも環境からも逃げる手段と知恵を持たない。
逃げられない場に子を縛りつけて置きながら、＜安心＞や＜愛情＞を与えられずにいる大人が、
子から奪うものの量と質は、計り知れない。
能力と考えに欠如した親から、社会の資源である子どもたちを守るため、 「他人」が介入するしか、方法がない場合。
子に、必要なもの以外の害を与えるだけの親から、引き離し保護するしかない状況。

法では守りきれない子を、守り抜くために、法を犯して起こった事件。

「家族」では、もはや限られてしまっている機能。
その機能を見限った「他人」が、下せる唯一で「最良の」決断。
人一人の未来・可能性を、ほかの「他人」が予測したり保護したりできるものなのか。
二つの道に決裂しているように見えていても、いずれ融合されなければ成り立たない、かけがえのないその子の将来。

その子自身にゆだねよう。

＜この若者の考えは、ただ「若さ・未熟」だけでは、片付けられないものだと思う。
若き血ゆえに、「正しい」結論を出せたとも言える。
いや、この物語で岐路に立っている二つの思惑の、その葛藤の意味と受け入れざるを得ない現況をこそ、表している。＞

「家族」「親」から、見放された子にも、その子自身で築き上げ歩んでいける人生が必ず、在る。
「他人」は、それを援助し、見守ることなら、出来る。
その子自身にゆだねよう。

法が、子の意思による「親からの亡命」を、確立していけない限り・・・・。

気づいたからこそ人生を受け入れて生き抜こうとしている子があり、気づくこともなく生きている親が、
日本にもたくさん、ある。

ベン・アフレック監督、成功していると言えます。 ケイシー・アフレック〜注目していきたい俳優です。「ジェシー・ジェームズの暗殺」も、直後に鑑賞しましたが、なかなか魅力的な演技・表情をされます。独特な「わかりづらい」発音の仕方をしますが、それが彼の持ち味のようです。
Ｍフリーマン、Ｅハリスという大物を抜擢していますが、この作品は原作がしっかりしているので、この二人でなくとも成り立った〜とも感じました。


　　

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藤原君へ
君に薦められて、気になっていたんだけど、ある人も、すごくいい〜と言うんで、それを機会に、とうとう観ました。

端的に表現してしまえば、〜端麗・完璧・感動〜でしょうか。 ジェット・リー・・・この方を今まで目にしなかったことを後悔するくらい、カッコ良かったです！
原案も彼自身というだけあって、頭も切れる人なのか、とてもシンプルなストーリーだけど、見ごたえ・盛り上がり・そして素晴らしい完結の仕方でしたね。最初のアクションシーンで、もう引き込まれてしまい、心の半分では、もうストーリーなどはどうでもいいから、ジェットさんのアクションを見せてくれ！という気持ちがありました。ラストになり、この作品のタイトルの秘密が明かされるのですが、ああ、私もマッサージから鍼に変えて、打ってもらいたくもなりました。
最も素敵なキックは、ビリヤードの球のところですかね。ブルース・リーもそうでしたけど、こういった武道に長けた方というのは、台詞（発する言葉）が少ないだけあって、その一言一言が特に濃厚な意味を持ってくるし、動作に無駄が全くないため、その表情を読み取るのもむずかしく、また笑顔に限り無く近い、その「笑み」がとても人間らしく映えています。もう私は、ジェットさんの大ファンとなりました。こんなにカッコいい人が居たなんて、本当に無知な自分が不思議になりました。その体格はちっとも大きい方ではなく、本当に小柄で華奢と言ってもいいくらいのボディなのに、、、、そう、だからこそ、この方の魅力に人は魅せられるのかもしれませんね。
藤原君、君も空手をするということだけど、君の感情移入できる気持ちのツボがが、またひとつわかったような気がします。そして、やっぱり私は君のファンでもあり続けていきますね、ありがとう、藤原君、そして誕生日おめでとう！


　　

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なんだか頼りない雰囲気だけど、私好みで魅力的な主人公（リチャード・ギアからいやらしさを抜いたような？）、ひょんなことから知り合ったドラッグクイーン。両性具有の悩み、友情とそして勇気、どんどん魅了され、最後には、ムクムクと元気になれた！
老舗ゆえ、従業員も古風な職人たち、首を切るにも彼らが居なくてはやっていけない、この靴が出来るまでの工程の描写も素敵で引きこまれていく。着想は唐突であるが、工場を売りたくないという意思は固い〜
変わらないことと、変わっていくことが、背中合わせということが感動的！自分は自分という意識でもって立つということが、いかにも人とその周囲世界を魅力的にさせるかが描かれている、注目の感動作であり、私はこの作品が好きである。


　　

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聞き憶えのあるメロディが流れ、 ほっと胸を撫で下ろす時、
ようやく二人が逃げおおせた結末に、 驚きと感動が同時にやって来た。
そう、ハラハラして来るのは、自由にしてあげたくなって来るからである。

スカッとした後味の不可思議な爽やかさ、
しかも、 アップで映し出される汗をかいたヒーローもヒロインも居ないからこその。
カメラワークと編集が素晴らしいのか、俳優たちは、本物の夫婦に見えて疑いもなくなり、各々が独自の欲にまみれたまま独立して、敵味方混在したまま実際に真剣に撃ち合っている迫力は、必見もの、
本物のドンパチを観たくなったら、これがいいかも。
生生しさだけでない、新鮮なリアリティ、
とてつもなく欲望のままに素直になりたい人間らしさの現場を、
実現してくれているとでもいうか。
そう繰り返しになるが、
決して二人は、偶像英雄像などに描かれていない、
周囲の人間たちのからみや風物詩も同じ、
少し壊れていて過激でしかも魅力的なキャラクターや設定たち、
典型的でどこかで観たことがある？という勘が働いたら、
それは、新しい作品がこの作品を真似たからなのだろう。
激烈だったノンストップ劇の、あまりに穏やかな終焉の形にあっけに取られていると、

＜全く無関心で無関係でしかも最も二人を理解できている傍人、リチャード・ファーンズワースのご登場に、誰しもニヤニヤしてしまうんだろう＞

リチャード・マークスの甘い唄声がしっとり挿入されて、
観る者を、混乱する味わったことのないビターな脱力感に落とし、 果たされた自分たちの想像の輪郭に、苦々しい想いを味合わせるのである。

逃走劇としては、稀な上出来栄えであり、傑作であろう。
要らぬものを削ぎ落とされた、シンプルな、
高らかなるロックンロールでもあろう！あっぱれ！



　　

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ビル・マーレイが凄くいい。
舞台は、現代のＴＯＫＩＯ。新宿・渋谷の交差点、ネオンがケバケバしく、日本語の使い方が全く下手な日本人たち。当然、日本語が駄目だから英語ならなおさら。わびサビの効いていないわびサビ通訳が通じないで戸惑うアメリカ人の俳優。おざなりで仕事を終えて、半ば缶詰状態になったホテルのバーで、つれない妻の電話に毒づき、やけに酒を飲み明かす夜。
一方、新婚の夫が仕事に遠出すると、独り異国のホテル部屋の中で、情緒も不安定になり時間を持て余す若い妻。二人はいつしか、眼差しを交し合い、ともに東京の街に出かけたりするようになる。

最後に、思い余った男が女性を抱き寄せ、耳元で何かをささやく〜何を打ち明けているのか、何を約束しているのか別れを惜しんでいるのかもわからない。わからないところがいい。こういう余韻の残し方が、ビル・マーレイの後姿だけの演技に哀愁漂わせていてますます、いい。
海を渡って外国に出たら、旅先で何が待っているかわからない〜そして、それは、絶え間ない倦怠な日々に、一条の光を差す、何かしらなのかもしれない、それも自分次第で〜自分の一部にして包持できるか、別れざるを得ない傷あればこその壊れ物にしてしまうか〜分かれ路に立たされる、有り余るほどの愛情を持って、あまりにも繊細に扱ってしかるべきものなのである。


　　

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ラストクレジットに流れる、Donovanの"hurdy gurdy man"の音楽（〜作品上の最初の殺害シーンのバックでも流れている〜）のサビが、 いつまで経っても頭の中で繰り返されている。
観た時間帯にも拠るのだが、 二回観たうちの一回目では、途中で強い眠気が襲い、いつのまにか挫折したものの、 おしまいまで見終わると、なんとも絶妙で奇妙な魅力に溢れている作品なのだと感じ入る。

刑事たちを倦怠感が襲い脱落者も出て来るし、直接手紙を受け取った記者も酒に身を持ち崩してゆくし、 残った平凡な男〜挿絵漫画家が、しぶとく「誰かが本に書かなきゃならない」と執念で調べを続けてゆき、 ついには「真犯人」の手がかりに行き着く（逮捕には至らない〜）までの数十年間という長い長い時間経過を、さすがに２時間以上の長さで描いている。
寸でのところで「物的証拠が上がらない」がためだけに、重要参考人を挙げられず、 「筆跡鑑定」というネックに、いつしかベテランたちこそが振り回され首を回らなくされて行く様。
未解決事件の事実を基にした物語。
不思議な雰囲気に魅了されたまま、ハーディ、ガーディ・・・と今も 頭の中で唄っている声・・・・。

最も関心を持ったのが、（ジェイク・ギレンホールもそうなのだが） 主任刑事役の★マイク・ラファロである。
やけに派手で趣味のいいとは言えない（？舞台が６０年代終盤から主に７０年代スタイルだから当たり前だが） チェックのネクタイやシャツ・スーツ姿で、パーマ仕立ての長髪に小太りみたいだったから、 彼（〜「恋人はゴースト」でウィザスプーンの相手役、また「エターナル・サンシャイン」にも出演〜） だとは全く気がつかず、「どこかでこの人、会っている」というワクワク感が、緊張感の中で揺れつつ、 この魅力にハマった要因だったのですが、 最たるは声〜裏返ったような高めの声で話す刑事らしくない声ですよ！ なんだか知らないけど、いつもクラッカーを食べてたりしてるし、 、、、ファッション・建造物や古い自動販売機やインテリアなど〜この時代性の表現があちこちにあって、それも楽しい。

・・・やはり捜査が横溝にはまりマンネリになって来る中盤にはどうしても眠気と戦うことになるけれど、 もう一度観たいし、何度も観たくなりそうな予感がある、 なんとも魅惑的な匂いを放つ、力作であり、逸品なのである。

・・・「セブン」の監督なので、粋でもありオールドファッション的古風なサスペンス好きの方にも特にオススメですね。


　　

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ラストロールが出るまで、「彼女」がサラ・ポーリーだとは思っていなかった。
「彼」は、世俗的なイメージで言えば、浮ついたアフェアを繰り返して しまうタイプじゃないの？ ・・・再会のラストにも、その印象は湿っぽくじっと残っていた。
しかし「彼女」の打ち明けた「親友」の話と、彼がそれに耳（この時「彼」は視力を失ったまま）を傾けている数分の間は、 私も、何もかもじっとしたまま見入ってしまった。
最も衝撃であり、真実味のあるシーンと台詞は、 彼女のカウンセラーの女性が、彼にテープを受け取るかどうかを 打診する時の語りだ。
「人は、忘れてしまうのだ」という件の男の言葉借りて、 改めて聴くと、 この、かさぶたは治ってもしぶとく痕る「恥の概念」の皮肉な生命感と存在感は、あまりに重く圧い。

この物語では、新しく選んだ生活空間の中に在る「彼女」には、彼女の中に居る「親友」が、 ひとときの間しか現れなくなった〜と いう下りで締められているが、 生き残った者に帰せられるあの「生命感と存在感」だけは、 ひとときも彼女を訪れなくなることは、ないのである。

ティム・ロビンスが選び、出ている作品には、 やはりハズレがない〜という歓びもあり。
自分を必要としている人のもとへ飛ぶことや、 自分が必要としている人を元へ引き寄せることが、 二者択一ではなくなった〜
ティムさんと一緒に私も、 そんな歳にまで、年月重ねて来たのですね・・・。
　　　　　　　　　（６月６日・鑑賞）


　　

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　なぜ、どんな目的で世界のトップのアメリカで活躍して忙しい中、 彼女はロンドンのはずれの旅行ブック専門店にたった独りで入ったのか？
なぜ、ヒュー・グラントは、無地のシャツがあんなに似合うのだろう？ なぜ、街を手ぶらで歩いて来て、家に帰ったとたん、パンを２枚焼いたのだろう？ なぜ、彼女は前ぶれもなくいきなり彼に抱きついたのだろう？ わからなーい。
ただ・・・名と顔の知れた女優でも、 一般のサラリーマンと同じで雇われて仕事をしているだけだから、 普通の女性の生活感の一部を持っているにはいるだろうから、 ふと訪ねた街角を、何気に買った紙コップ入りのジュースを持って曲がることはあるんだろう。
だから二人は出会ってしまった。
・・・逆玉の輿物語でもない、 逆シンデレラ物語でもない。 何故なら、グラント扮する男性が、 あくまでも普通で「誠実（な感じ」であるからに尽きる。
「誠実だったよ」というのは多くの知人たちの感想と批評に 最も多く出てきたロジック だったので、 私はこの作品をじっくり観るのを、 ずっとずっと躊躇っていたのだった。 しかし、無料放送されていて時間もあったため、 鑑賞に当たってしまっただけなのだが。

ますます、ヒューさんが大好きになってしまうし、 大陸のアメリカでなく島国のロンドンの町が味わい深かった （タイトルになっているのだし） し、 後味は悪くはなかったのだが、 「何故？」の一番の始りが、唐突で不可思議なのも最後まで否めない。
ともかく、ハピーエンドの輪郭があまりにありきたりなのと、 言葉の間と表情の距離が不自然でもあったので、 どうしても「本当にこの女性は職業女優さんなのか？」・・・。
あらためて申すわけでもなく、 私個人は、多くの女性が脚光を浴びることに憧れたり、 イヤリングを欠かさず化粧も怠らず、 街を闊歩してイキイキして行く光景に馴染みがないので、 この、女優を職業としている一人の女性の、 ノーマルな男性とのお付き合いへの歩み寄りの仕方に、 ？（ハテナ）しか出て来ないのだ。
つまり、初めに書いたとおり、 普通の女性としての生活感〜という点からの洞察に、 多くのファンたちも私も、 この作品の魅力を見出した、ということだろうか。 そうして、気障に振舞うこともなく着飾ることもなく、 無地のシャツを選んだ男性の姿（男性へのスタイリングの置き方） が、 私には、この作品の象徴として、いつまでも心に残るのである。 あなたは何色のシャツを、選んだり好きになったりしますか？ それは、何故？


ＰＳ、恋の始りのＢＧＭに、「カーラの結婚宣言」でも同様に使われていた曲が流れた部分では、久しぶりに、少しドキドキしました。

（５月初旬・鑑賞）


　　

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３分間続けてお腹がよじれて笑わせてもらった。
その私のツボを皮切りに発覚する、〜俄かに出来上がってしまった 「ニコリともしないで居られる家族という人々の輪」〜
（娘のミスコン参加という行事のために） の空気をひたすら「読めていたのか！？」と気づかされる、 唯一のメンバーであるおじいちゃんが傑出していて、とことん マイペースで凄くいい、
ハジケていて。

ほかのキャスティングの表情には、やや 消化不良の部分はあるが （もちろん大好きなキニアさんには満足です！）
脚本よりも何よりも、カメラと編集の仕事がずば抜けて 素晴らしい仕上がりになっている 作品だ！という感想。
黄色は好きな色だったから、青い空の下のまっすぐな道に、 このバスは綺麗に映えていたから、 それだけでも心が和む楽しい旅をさせてもらった。
アメリカだから大陸横断のムービーロードも起こりやすいが、 斬新な若い視点から生まれたケッサくで異色ではあるが、 秀作とはいえない佳作（ニヒルにもなれ大笑いもできる喜劇） ではないか、という評価ですね。　

　　

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前回、途中挫折した合成画面をも、なんとなく通過し、 （あまり大きな期待もしないで、なんとなく観ていたからだが）最後まで展開が全く読めていなかった〜ところに驚いた。
フィクションだからか、そうでないからか、
おそらく「両方だから」だろう。
その台詞がいい。
わかること・わからないことも、 本当なこと・本当でないことも、 きっとどちらも「両方そうな」んだと思う。
別れと出会いと、再会と別れを通じて成長し、 そう感じると言うガンプの感性に共感できる。 世界で一番の言葉を貰った人ひとりを愛し続けることは、 どんな人にも共通するのと同じに。 とうとう新しい靴を履き、息子を待つことになる 最後のシーンに満足。

ビート音楽が止め処なく続き、 時代を追う構成だけは、少し耳障りではあったが。

　　

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　なんとなく「また観たくなる」作品のひとつ〜こういうテンポのドラマは、心拍数に大きく影響を及ぼさないからか、じっくり何度もまた観いってしまう。 ダイアン・キートンに会いたいときに観る一つなのだが、今回はまたメリル・ストリープの演技の緻密さ上手さにあらためて感服。
　製作者の一人デ・ニーロの抑え目の出方と兄役のダン・ヘダヤ、父親役のヒュームさんも当たり役、ディカプリオの個性も上手さもよく演出できていて、言うことない秀作なのである。
深刻な空気の流れをきちんと読む人々は、決してユーモアの風を描き入れることを忘れない、胸痛くなるような場面にこそそうなので、かえって何故か「ごめんなさい」と言いたくもなる。

　この風向きに感受性ある青年が一番手に応え、部屋と人とに絆を結び、痛々しさのない天衣無縫な姉の笑顔と率直な態度は、ふたつの離れた家族をまたゆるくひとつに結んでいく〜姉が恋人の話を打ち明ける場面は可笑しくて、オチの前でもう声を出して笑ってしまうのだが、そのオチの度を溶かすように、夜なべして妹は姉の髪を梳かす。仮であるその髪は、実は命の源が流れている大事なモノなのだと言っているのが観ている人にはわかる。「私は幸せもの」と言う姉の言葉が語っているのが、自然な涙のことだと、綺麗なものだと見ている人にはわかる。

　青年の心を開いた姉の命を頼りなげにも救う道は、自分の子どもにまともに寄り添うことだと妹は学んでしまう。どのくらいありのままをさらけ出すのが得策なのかどうか、どのくらい距離を置くことが便りを交わすことよりも多くを語ることになるのかどうか〜ふたつの州にまたがった人生たちが、ひとつの部屋に遊ぶ光に、徐々に明るく照らされてゆきます。
　無益な人など一人もなく無駄なことなどひとつもないということのその無駄のなさの中身を、どうかヒューマンタッチに学んでいけますように・・・。人生の岐路に立つ人、迷う人にも、よい息抜きになる、とってもいい作品です。
08/01/12



　　

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　　into Love　　
　　久々にハマりました。二日で４回観ました。
ヒューさんのラブコメ路線の成功を祝うどころか、
この作品のクオリティに共感できてしまったから関係ない〜というところ。
　　冒頭のポップクリップに続いて「歌えるかは〜期待できません」にも大爆笑。
　　この最初のアップのヒューの顔芝居、意味ありげでしかも、頼りなげで投げやりな男の部分も魅力（中年同年にとっては）なのだが、「国民」の音楽業界の王様世代にとっては、そうも迂闊には感じられても思われてもいない「間」のグッドショットなのである。「ナイス・ワン」と台詞で自らこずいて言わせているところが憎ーーーい！！
　　ところが、一回り年下の女性にかかってしまったら、こんな物語もできてしまったというところか、いわゆる王道セカンドチャンスに光を当てているというのか、それともシンプルに・・・。二人が、なにげに不自然なまでに自然に、マイクを前に初めて歌を録音する場面が一番好きですね、曲テイクとしても、これがベスト盤でしょう。
　　歌い手役の女性の控えめで不思議な魅力も、シャンティ・シャンティ、これなら了解。いけすけない男役の名前が浮かびそうで出て来なかった〜調べてわかった、ごめんなさい、お互いに髪を気にされる年を経て来たのね、キャンベルさん。
今年の★★★★☆。

バリモアの衣装に目を見張ってしまいました、色合いもラインも女性的でとっても綺麗、キュートで素敵、是非、型を取って作ってみたいです。
サントラ、、、、、買うでしょうね、クリスマスに。07/12/17



　　

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ある意味、とても幸福な男の真実の物語。
この幸福を得るために、彼が努力した内容を教えて欲しい。

実質１０年、自らは目的を持って、そして目標の人々には待ってもらっていた。 １０年間をただただ待つことが出来る信念や希望、信じることができる現代日本人が、 いったい今どのくらいいるのでしょうか。
想像を絶する過酷で悲惨な光景を心身にさらし、また目の当たりにしてきた実体験を、 厳しい現条件をクリアしながら追体験したであろう、 この映画の製作に係わった全ての人に、 尊敬の念を持ちます。
ＣＧや合成フィルムを背景にかっ飛ばすアクション映画のヒーローを追う、 いわゆるハリウッド的映画を、今後どう観ていけばいいのでしょうか・・・。

　　

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ジャック・ブラックという役者が日本でも知られるようになったのは「オレンジ・カウンティ」あたりだろうか、この脚本はその頃から練られた。
ロックンロールを３年以上（中学・高校の各期間だから、単なる目安）経験したことのある大人には、ある意味「痛い！（流行の若者言葉ではなく、違う大人の言葉で）」作品であり、憧憬を覚えたり疼きに僻んだり灯篭のように心境は変わる〜かと思うかと思ったら、そういう感傷に健全（とまぁ言っておこう）な子供たちを利用している単なる商業映画になってはいない。Ｊ・Ｂを毛嫌いする輩もいると承知しているが、ＤＶＤに付いているそんな彼の素顔？のビデオクリップはちょっといただけないにしても、ロック魂（矢沢さん、ちょっとお借りします）の偏り男が、その路線に自ら乗り続けた結果、継ぎ目に躓いた環境に置かれたおかげで、子供の目線に近づくのではなく大人の目線に子どもの才能を育ててみる企みが成功していて、子供に戻って逆立ちして大人の自分の中で夢が浄化されて昇華されていく快感に、身体はいつのまにかリズムを刻み、「ウ〜ラッ　ララッ　ウ〜　ラッララ」とハミングまでしているのである。最鑑賞だが、正直元気になったのである。競って勝つ結果ではなく、大人たちから（多少好奇の目があったりお涙頂戴サービス欲しさのおねだりもあったかもしれぬが）
　アンコールを言い渡されて、再びステージに全スタッフで乗り込むシーン、ステージを客席で観ている視線で撮影されている〜これが成功しているから、「天使にラブ・ソングを」を凌いでしまった、はっきりそう思う。
Ｊ・Ｂでなかったら、こんなに切なさに詰まってしまう感傷も知らないで終わっていたかもしれない。彼の「コンプレックスを売りに出すんだ」という宣言は単なるフェイクに終わっていかないと思わせてくれるラストクレジットでもある。かつてＲｏｃｋ’ｎ　Ｒｏｏｌに燃やした「ザ・大物たちへの反抗心」、情けないほど涙が出るほど切ない！「潰してしまったヤツ！　Ｍ　Ｔ　Ｖ！」で大爆笑、今もまだ快勝だ！




　　

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「危険な情事」のエイドリアン・ライン監督作品。かなりの評判も聞いていたのでようやく鑑賞。
よくわからない、あんまり衝撃もなく。第一に残念だが、ダイアン・レインの表情演技にいまひとつ深みがない（この人は、いつもどこか「いまひとつ」なんです）、元々苦悩していなかったキャラクターだから〜なら有りかもしれぬが、事実を知ったうえでの夫の自分への態度に対しての感情と非感情の揺れが画面に出ていないので、かなりの空回り。第二に、反対にＲ・ギアの演技。特に殺害直前のあの苦悩と発作には共感できるくらいである。「二股」するなら、どちらかを押し殺すまではもうひとつを隠し通す努力を惜しまぬこと〜それだけ・・・隠しても探られる、後を追われても隠すことができるなら、やってみるのはご自由だが。夫の居る家で写真を焼いてしまえる清算の形に対するあの女性の態度に見る限り、軽く走っていくしかなかった衝動の燃焼はこれからも燻り続けるでしょうね、お大事に。


　　

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明るく「ポジティブ」で、お見事な手段を選びに「選んだ」当選戦の舞台裏。敵釣りあらば勝利ありの典型ドラマ
次から次への豪華な顔ぶれが目白押しのキャスト出演に、キャッキャと喜んでしまった。ＴＶ局の女性スタッフは電源をシャット、「祝い」を蹴って職を去って行く女性要員。女性の後姿まではコケにできなかった点はさすが！幸い。男性たちはある意味、もうとことん自身のヒステリーの常時高温沸騰騒ぎにさえ鈍感になっているのだし、卑下している相手からさえとことん上手く盗めるものは盗むことは容易に得意のものでしょうから。（あぁ失礼、「パワーゲームを一度でも降りたことのある男性以外の「男性たち」」ですね）。


　　

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hellow peter! nice to see you again and how are you,anyway.

"I'm sorry so sorry.The life is unfair.that's it"

and you say me do not think about it?

これはまた凄い「サスペンス」なのである。 贖う心当たりのある方は、観たらいいと思う。
タイトルに、その象徴として「skidmark」＝「横滑り（スリップ）痕」とある。 いい大人同士の会話が簡潔な脚本がいい。 「君が頼まなかったから」という理由がいい。 slipし損なっている状態のミステリアスな女性が果たして、 一体事件にどうかかわっていたかいないかが、 最後を迎えても謎のままなのがいい。
Ｐ・ギャラガーとＦ・マクドーマンドの友情コンビの演技力は健在であり、 深刻な匂いの中に、Ｊ・ブラックならではの妙な絡みが可笑しくて、 クスリと和めるのがまた不思議に面白い。（彼がキャスティングイントゥしてくれていたおかげで、超〜真剣に磨げ過ぎなくて本当に良かったのです。）
真犯人とやらの臭さがぷんぷんしていても、気にならない。 「贖い」と「無関心」の強い鎖にさえも、「友情」は毅然として溶解媒体として介在存在しつつあり、 依然として無感覚であってもまた、贖いも友情も続いていく他はない、 というテーマなのだと思う。この深い三角関数、あなたには解けますか。 私、見終わってからしばし泣きました。
もう一度言う、このフィルムは、 なかなかのサスペンス（ハラハラさせられる）心理を味わえる「佳作」である。（Ｐ・Ｇファンの醍醐味を味わえる佳作とも言える・・・それだけなのでも、ある。）


　　

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あの人たちのことをこれだけ忘れたくても、 あなたのことまで忘れてしまうことになるなんて。
あの人たちのことを覚えていてもかまわない、 あなたのことは、覚えている方がいい、 忘れてしまうなんてできない。耐えられない。
good nice　なことは思い出す？bad shit　な顔だけ思い出す？
記録の上書きはどこで始まりどこで終わるの。
覚えていれば、また塗りつぶされることが起こっているのでも、 忘れないで欲しい。 覚えてしまったことを、どれだけ忘れてしまいたくても、 あなたにも、覚えていて欲しい。

black　を　white　に変えるには、わたしはどうしてもこんなに無力のまま。 ただ、blank　に、書き直しているの。 走り書きして、割り込める、コピーもペーストもできる。 忘れたほうがいい、、、、それとも覚えていたほうがいい。 鮮やかに滲んでいく、浮き上がって来る、見えている。
それともあなたの言ったように目に見えないことのほうが、 本当のことだと思うの。

わたしもあなたも、ふたりのことを、 「待って」と止めることは、 決して一度もなかった、ということは。


　　

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引き金になったのは、愛だった。

「記憶は、ナイフのようにあなたを切り刻む」と止める女。
「彼の心は、妹といっしょに雪原で死んだ」と観察する男。
それでもそれでもなお、生き続けて来れねばならなかったのか。 どうか答えて欲しい。なぜ、生きていかねばならなかったのか。
なお生き残り続けるしかなかった彼の魂を揺り動かしたのは、怒りではなく悲しみではなかったか。
あるいは、層になっている私たちの深層の部分で重なり合っている悲しみの上の怒りと、そのまた上に重なっている悲しみのせいだったのか。
超言極まるまでの痛ましさ。虐殺戮は、「そこに」居て見たものにしかわからない。 叩かれたものよりも、叩かれているのを目撃した者にもより強く同じほどの傷が、、、。 他人が蹂躙して行ったまま残された傷とともに同じ年月命も残ったのなら、 彼の選んだ動機を、人間ならば否定できないものだと私は言いたい。
魅力的な人物と、かつてから感じていたが、 今は、痛ましい〜としか表現できない。
動機のひとつが愛と喪失であるならば、これは反戦（死語句であるならば「非戦」と言おうか）の念を世に放つ香りを持っているとも言えないか。ハンニバル博士が匂いにも非人的ほどに鋭敏なのもそのせいではないか。
皮肉にもといおうか必態の世論に沿っているといおうか日本女性と侍・戦・その文化との接点が、 殺意現実化と殺害方法に影響したように、 色濃く表されていた点には、驚くしかなかったが。
今後、日本女優にこの役のようなオファーが来るようになるには・・・。 仏主役男優はかなりの純度で役作りに成功し好演している（左頬のあの窪みのような傷？のようながまたイタイケで）。この点なおさら女優役（もう少し若手新人でも良かったんでは？）に未練が残る。
またこうして、四部作で壮年期と少年期のハンニバルが描かれて来たのだが、医師になる途上から医師として生きた？青年期のハンニバル、潜在的に破壊的殺意を秘めて研究と隔離を重ねていた青年期から中年期の彼を描く、次の作品を願うのはわたしだけであろうか。

（補足）監督は「真珠の耳飾りの少女」の方だそう。・・・ふーむ、納得。女性の写し方はね、、、。


　　

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不思議にラストロールが堪えたのです。良かった。泣けてもみた。
音楽の効果が多分にあったのだろうが（「cold water」demien rice）、不器用な横顔を見せた青年の魂が、この世にではなく自分の命にでもなく、告げたかった言葉と想いへの真実を名残り証明した物語。

「現実」告知への空気穴が開いた瞬間でも、医師とその恋人の「過去」は存在感を失ったようで、ただ「今」起こり得たに過ぎないひとつの現象の直後に、人それぞれに遺す経験とその記憶が、これほど心を打つことが衝撃でもあった。打たれた心は反動を起こし、個人の中でまたその個人の経験と意図せぬ角度で交錯した記憶の断片によって充填された、新しい現象を起こす。この日常・生活・社会の中でなど、もう人の「真心」をみつけられずとも、生きた人間の誰からも表出できてしまう言語や伝達記号の組み合わせに過ぎない「感情」や「認識」では量れない「何か」が、実は、「真心」が居心地よくそこに在り続けられる安住の住みかと形態、なのだろうか。伝えきれない〜と嘆くことも、悲しいことだけれど、それは生きている最中だから〜嘆くことができてしまい悲しいから〜に過ぎないのでしょう。生きることとはいつか無くなることだとは私は考えていなかったし、あなたわたしのノコル「心」の置き場、自分の中以外にあるって信じられますか。わたし、信じられたな、これ観て。だから、差し伸べる愛とともに残るのは「心」の価値（勝ち）。インザビューティーなんて広告に惑わされないように、、、そんなこと言われなくても備わっているしわかっている事を言い触らすモノたちに惑わされないように、、、。

　　

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「自分の都合のいいように嘘をついてばかり」（台詞、律子）の大人たちの中で、唯一と言っていいほど、球磨子だけが終始本当のこと正しいことを発言行動していたと知ると、とことんまで憎めない人物でとても魅力的だとさえ感じた。自分を好きで正直にやり方を通そうとする態度は、最後の二人の女性の会話の場面で、律子も負けず劣らずに誇示するのですが、演技としても押しの強さでも桃井かおりのキャラクターが上等に見える〜そして相手から学べたと意識できたのは律子の方だけだったのでしょうか、、、この人物を演じた岩下さんもまた、仕事の達成という目的意識が張り付いた冷静な横顔と表情を、一貫して表現しきったのはお見事だというしかない、こちらもまた上手（うわて）。
続けて二回観た、そのくらい面白かった。 「砂の器」とはうって変わって、音楽がほとんど使われずにいた、ということが終わってから気がつきました。そのくらい引き込まれる展開だったということですね。（いろいろ観てきた私が先入観を忘れてしまっていたというのが不思議です。）野村監督の揃えた豪華なキャストに大満足の作品です。

　　

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舞台女優さんたちの熱演はわかるのですが、やはり「役」でなくて女優さんにしか見えて来ないのだ〜個人としての「呼吸」の浮き沈み〜が、画面のまにまに匂ってくる〜そんな不安定な気持ちが最後まで続いた。
ラストロール最後の一曲は、私の特別に好きな曲だったので、物語から外れたパズルのデカイのをポンと出されたような浮き方で意外性では成功。しかも、この一曲を流したいがために構成されたのが監督・脚本の目的と動機だったのかな！と思うと、それだけは勝手に納得できて、合格感と安堵感が余韻に残った。邦画も頑張っているなって。