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ペカンの木々の農園を育てることにをこよなく愛し、妻や子供達へ平凡だが有り余る愛情を注ぎ続けた老人の「愛の物語」。
　金婚式のあと、不意に亡くなった妻が行きたがっていたマディソンでの同窓会に、ポンコツのトラックで、白い犬と向かう。 　犬とたどり着いたのは、妻にプロポーズした「人生で最高の日」の思い出の池だった。妻と再び語り合って、新たな「最愛の日」の思い出を作り、子供達に発見されて、家にもどる男は、犬（妻）とワルツを踊ったこと、そして孫に語り継いだ「人生に終わりはない、続いていくものだ、あるのは発見だけだ」という言葉を最後に、自らの死を覚悟し、妻との再会をまた楽しみに静かに死んでいく。 〜こんなにも静かな穏やかな、家族への愛情に溢れた物語が生まれたのは、あまりに殺伐とし廃れてしまった都会での人間同士の、互いを尊び意志を汲み合う思いやり、この欠損感、、、、、そんな誰もにある「寂しさ」への贈り物かもしれないですね。 　

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ミラ・ソルヴィノ観たさに借りて来た「新作」である。
マライヤ・キャリーのオオゲサな演技はともあれ、もうひとりの冴えない女、彼女は「マグノリア」のあの恋人の彼女！
　傷心から、立ち直るために「選んだ道が間違っていたら、どうしたらいいの？」と祖母に問いかけるメグの心境に、間違いなく勘は当たっていて、残る「やり直し」の道を開いてくれたのは、自分の青春をおとり捜査に投じた友だった。女３人の友情の煮詰め方は、あれ以上は望めなかったと思うけど、結果的に友と自分の命を救ったメグの役目が、自らの新しい身分を保証してくれたのは、まぎれもなく救いだったと思う。 　

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二回観て、ようやく証言の裏の裏のつじつまが頭の中で一致できた。が、
黒幕というか、断罪の大元というか、ジョン・トラボルタ演じる元レンジャー隊員の言動が、いくつもの嘘と芝居に充ちていて、集中していないと油断ができなかったところが面白い。 　ジョバンニ・リビジが、「将軍の息子」を演じているので、暗闇の中での彼の顔を探りみつめようとしていたら、目がひりひりしたｗ。ハリー・コニックＪｒまで、出ていたので、これはラッキーｗ。 トリッキーな中にも、誰もが知らなかった裏工作があったが、最初からなんとなく怪しかったね、あの責任者。
最後に、全てを知ってしまった女性大尉の活躍もみのがせない。 　

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　これは、素直に笑えた！しかも、楽しいだけじゃなく、ほろりとも来る。
ニック・ノルティの「４８時間」の油に乗った頃の作品、相方は、あのオバカをやらしたら一番のマーティンだもんだから、吹き出した回数も多い。お約束の笑いどころも多いんだけど、それでも、二人のオーバーアクションにもしらけるどころかツボにはまって、続けて４回も観てしまった！娘役のポイントも高い。二人の男が、小さな女の子に、おろおろしたりして、微笑ましいのだ。銀行強盗を何度もやった男が、キレ続けながらも、最後には人情に厚く世話焼き男なっているのが、たまらなくおかしい！ニック・ノルティは、最近悪役が多いせいか、顔つきも悪く？なっているけど、この頃の顔は、全くもって、楽しく素敵である。のほほんとしたコメディで、ひっそりと笑いたいなら、とってもオススメの一本である。 　 　 　　 　

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　エドワード氏が、ピンクの着ぐるみで、ニッコニコ。空をあおいで手を広げポーズをとり、子供たちに囲まれご満悦。ギターの弾き語り、スケートまで披露。これはたまらない！逆に、どこまでも被害妄想で突っ走る悪者を演じたロビン氏の、しわくちゃでギョロ目の形相が対照的。わたしは、子供番組を素直に見ているように観ていたし、単純に子供に見せてもいいんじゃない？と思うくらい、サイのスムーチーは、健全で清潔なのである。「この世は金だ」とデヴィート氏がささやくのだが、スムーチーの耳には届かない。チャリティーにも熱心で、最後までいい人なのである。「力を持ったら、何でもできる」ことを知っても、それは変わらない。私がアホなのか？知らないが、こんなキャラクターは好きである。子供にもわかりやすいあらすじではないかしら？？エド氏は、さすがに芸達者！ポーズがあまりに決まっているので、子供に帰ってニッコニコしてしまったわたしは、やっぱり？単純に、好きです、この作品！（笑）　 　 　　 　

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　こういう「宇宙警備隊、出動！」的ドラマは、不謹慎でも、子供の頃観たウルトラマンほか、正義の味方番組で育った自分には、ぞくぞく・わくわくしてしまうのである！
パニックものは、元々大好き（またもや不謹慎？）なのだが、そろそろネタが切れてきたな、と思っていたところ、苦手な物理の切り口で、こんなにスリリングな作品が出来上がって、嬉しい！勉強にもなった（苦笑）。ともかく、ヒラリー・スワンクを又観られたのだが、お化粧をしていても、彼女の骨格や声は、どこかマニッシュでやっぱり魅力的。ほか、キャストも素敵なそれぞれのテラノーツ（地中潜行士）たちの個人的ドラマも、きっちり描かれていて面白かった。地下３０００キロに潜るときは、圧力ってどうなの？酸素は？核爆弾を何千度の中に持ち込む技術って何？、、、そんな疑問も持ちながら、ＣＧの映像の中、水晶・アメジスト・ダイヤモンドなど、鉱石がたっぷり元素のまま出て来るんだから、宝石好きにもたまらない？！超音波で、歌い返すクジラの特徴を、最後の切り札にするところも、なかなかである。冒険は、ドラマチックに楽しめるのが一番！鑑賞二回目に突入！って勢いであった。 　 　　 　

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　実際に起きた惨事を基にしていると言われたあとで、真面目に怖さはじわじわと湧き上がって来た。怖いんだけど、引き付けられるように先を観たくなって来た。この怖さというのが、現実の理屈では、とうてい信じられない怪奇な現象を、これでもかと見せ付けられるのでたまらない。目撃者の信憑性・事実になる事件の場所と被害者の数などに加え、引きずられるようにリチャード・Ｇが田舎の町から離れようとしないこともそうだった。忘れられない妻の記憶が絡んできたりするので、トラウマか？何かと関係している心理的な問題をえぐっているのか？と勘違いもした。ところが、実際に聞いたら本当に怖いだろうしつこい電話の声と、モノの場所などもズバリと当てたりするところなどは、ゾーッとして来た。とにかく今までにない別物の恐怖感だったのである。橋の事故で必死に彼女を助け、被害者が３６人だった、と聞いて、映画は終る。（現実の声を頼り、約束を守って再び町にもどったことが、「現実にもどれ！さらば救われる」というメッセージなのか？とも思えたのだが）
　怖〜〜〜〜！　忍び寄る、目で見ない怖さを味わいたい方には結構オススメの逸品である！（重ねて、妻への思いで嗚咽するリチャードさん、こういう時の彼は、噂とおりなかなか母性本能をくすぐる感じなのである〜ふ〜む、なかなかよいぞ）　 　　 　

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　とっても面白かったのである。
まず、ジョン・ボイトのキャラクター演技がケッサクで、そして、段々ひとつのストーリーにつながっていくのだが、話の展開に？と観ていくと、なかなか凝った物語なのである。少年たちの、こつき合いも楽しいが、徐々に仲良くなっていくあたり、そしてゼロと呼ばれている少年の心が溶かれていく流れ、コメディだけど、微笑ましいのである。最後に、大金を手にしたのは、スタンリー一家（のちに発明が目を結ぶ場面もある）とゼロ少年。めでたしめでたしなのだけど、まぁ許せるかな、と思わせられるのだ。不思議と言えば不思議な物語りなのだが、アメリカ的であり傑作でもある。 　　 　

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　私は、この作品が好きである！
こういう作品に出会えて、よかったのである。リースを映画に誘ったキャロルの影響で、いつしか彼女のクイズにも答えるようになるリース、キャロルには、言葉を聞き間違えてしまう変な癖があるのだが、そんな言葉遊びをしながら、二人は着かず離れずの関係を、心ゆくまで楽しみにしているのだ。口では何も言えない不器用なリースとキャロルの関係は、まるではしゃぐ若者のように、若いのだ。息子と娘に、ロバート・パトリックとダイアン・レイン。このキャストも上手くいっている。ロバートが不自然な金髪で登場した時には笑えたが、だんだん歳を重ねていく役柄のせいだとわかって来た頃には、いつものツンツン頭になって、それなりの年輪を感じられる顔つきに変わってきているからすごい。
　最後に、父親は「後悔は、俺だけでいい」とばかりに息子に、娘を追いかけにカーチェイスをやらかす、おしゃれな演出。かつてキャロルと車の中で話題にしていたカーチェイスだったのだ。ダイアン・レインとサム・シェパードのカップル役は初めてじゃないが、これはイケていた！愛しい人へのリースの慕情がしみじみと農園の夕暮れに染まり、美しかったラストである！憎い！ 　　 　

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　ショーン・ペンの演技が気がかりで（どう演じているのか）観ずに暖めていた作品を、とうとう観た。
ペンの役になりきる力量は、あい変らずで、どこから見ても彼はペンではなくサムであったので、安心して観られたことがひとつ。
そして娘役の、キュートで可憐な姿、父といるときの安心しきった態度、このペアには成功していた。あれほどまでに７歳の女の子が男親に対して信頼を置けるのか？疑問も湧くのだが、母親を知らないで育ったのだから当然なのかもしれない。自活もしているのだから障害はもう、障害の域を越えていて存在しないのも同然。そんな彼と娘の仲を脅かす勢力とは、「教育」とか「将来に不安」とか「相応しいのか」といった、無関係で無関心な、ただの介入者なのである。それを身体で知っているルーシーは、健気に父の元へ通い続け、里親の心さえも動かすのである。果たして、ラストでルーシーのゴールに歓喜して走り回るサムの姿には、泣けました。あんなに、自分の蹴ったボールのゴールを喜んでくれる人がいたら、ずっとそばに居たくなるのは、当然よね！ 周りの「大人」たちにも完全な人はいなくて、証言台に立つ人々の声につまる態度にも、共感できたはず。親なればこそ、親でなくとも、人ならば、誰でも「一緒にいて楽しい人」って、本能的に身体が、選んでいくものなのよね！そんな感覚を、改めてみつめさせられた佳作である。 　　 　

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　こんなおじさん（隣人）が子供の頃、欲しかった、と思わせてくれる作品。
普通に商売をして、自分の身近な生活圏を大事に、戦争をやりすごしていくはずだった男が、子供の世話をいやいやしながら、やがて、理不尽なドイツ軍の検問や警察の詰問の中で、自分の中の本心である怒りに目覚めていく。自分をユダヤ人と名乗るまで、「自分の夢は、お前たちをスイスに逃がすことだ」という気持ちを通そうとする姿には、心がふるえてきた。絵を盗もうとするシーン、婿を殴って逃げるシーン、わずかな間だが農婦と仲良くなっていくところ、、、、いつのまにか、おじさんは、ただのおじさんでなく誇りと目的を持った逞しい男に見えて来て、感動する。それは、人間として、〜あんな時代もあったのだ〜と、子供たちに伝えなければいけない問題でもあろう。終戦まで子供と暮らしたスイスの生活は、どんなものだったのであろうか、貴重な「休暇」であったのでしょうね。 　　 　

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　豪華絢爛な衣装とセットにまず目が奪われる。
　特に、女性ならではの女王の様々な衣装の美しさ、髪形、眉の薄さ、、、ケイト・ブランシェットの出世作として、名ばかりではないようだ。歴史に疎いので、権力の行方や影で渦巻く陰謀の意味など、複雑なのか単純なのか？今ひとつ明らかな流れを見出せなかったのだが（苦笑）、私生児として育った娘が、女王となってみたら、挨拶や演説ひとつにも練習など必要であったろうし、待女がついているもののプライベートもない生活、そんな内幕が見れたのは貴重なのかもしれない。かといって、女王となったケイトの演技は、アッパレなもの。堂々と悦に入って高らかに笑うシーンなどを筆頭に、反逆者を抹殺する指示を出し、マリアに祈る場面など、女王としての葛藤があればこそ、大舞台でのふるまいに磨きがかかって、たいそうな皇女ぶりなのであった。
やはりブランシェットへの多数の評価は、明らかに正しいようだ、認めよう、注目していきたい。 　　 　

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　ジョン・キューザックが元刑事と語るところから、なんとなく怪しい気配がした。レベッカ・デモーネイが、それと判るまで時間がかかった。１０から９、８と部屋の鍵が殺人現場に残されていくが、幽霊のしわざにしてはあまりに現実ばなれしているのだ。やがて、冒頭の死刑囚の聴取から、事件の発端と経緯が見えてくる、が、「解離性人格障害」という言葉に、誤解を持つ人も多いだろう、が、
今や、様々な「人格障害」が、虐待によったり、ストレスによったりと、ポピュラーになっており、全てが犯罪にかかわる真性の人格異常と断定するには軽薄なので、間違ってもらわないようにして欲しいと思う。このドラマの場合、犯人の多重人格のうちの一つが、実際の犯罪の現行だったということになっているが、果たして？そう、実は、医者が判断していた「犯人の人格が作った物語」という推察は当たっていたものの、聴取されていた時の人格＝ジョン・キューザック〜が現行犯の時の人格なのではなく、実際に「現場」に登場していた、虐待されて言葉を失ったとされるひとりの子供が、１０人目の最後の一人を殺そうとした時の、犯人の幻想が、実際の現実で起こってしまったという、ラストでしめくくられている。さて、めまぐるしく場面でフラッシュされる、ジョン・キューザックの顔と死刑囚の顔が、一体、何が現実で起こった事件だったのか？二面性をはらんで、実は、わたしも、理解できないで終ってしまったのである、（後で、つじつまが合ってきただけである）が、二回、三回と観るには、ちょっとキツイですね。後味はよくなく、サスペンスとしては、いまひとつ。「人格障害」＝「アイデンティティー・クライシス」を、もっと、リアルに掘り下げて欲しかった、というのが本音である、残念。
　＜　からくりが解ってからの評価（後日）は、いまひとつではなく、かなり面白いのかもしれない。〜というもの。（わたくしの人格の二面性？謎笑）＞ 　　 　

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　予想をはるかに越え、共感の渦の中へ、ずんずんとはまり込んで、魅入ってしまった。
ジェーン・フォンダや、デヴラ・ウィンガーの、引退後の顔を観られるだけで収まらず、現役の、役を選んで役にはまり込む、本当の女優の仕事をきわめようとしている女優の中の女優たちが、勢ぞろいして、本音を吐露している。女優たちに流れている連帯感の存在を知られたことの収穫のみならず、特に印象に強かったのは、レッドグローブや、ウッダード。そしてシャロン・ストーンのインタヴュー。４０代も越えたバネッサの奥行きの深い言葉たち、シャロンのストレートな告白、ウッダードの含蓄に充ちた教訓。どれも、女優でならずとも、同世代（？不詳にしておこう）や、これから？の自分たちも、うなづけて、「自分を歩む、こつ」を、教えてもえらえたのは、全くの偶然ではなく、女性なら、誰でも起こりうる、人生の転機での葛藤や悩みと解決策に、共通するからであろう。
美しさとは、肌や顔つきのことを指すのだけではなく、内面から輝く人生への貪欲なまでの、自分らしさを探求し続ける、情熱と好奇心、前向きな姿勢なのである。
あっぱれ！そして感謝！全ての、憧れる女優たちへ！ 　　 　

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　ラストで明らかになる、父のある日の説教は衝撃的である。
「怒った結果、お前は幸せなのか？」の問いに、顔をゆがめるデレクの苦悩に満ちた顔が強烈に印象に残る。果たして、怒りの捌け口としての差別主義とは、単なる子供時代の「平等」への反抗心、それだけの問題なのか？満ち足りない生活・貧困・犯罪の被害への恐怖。最も庶民的で一般的な、こんな怯えの裏側で、一度、暴走した怒りが、なにゆえ男性としての「誇り」にまで発達していってしまうのか？ 教育の名のもとに、また「平等」の名のもとに、何かが連鎖し浸透していってしまう大国アメリカの歴史。黒人の友人を得て、何ものにも替えがたい体験を通して改心したデレクが、真に立ち向かうその前に、恐ろしい悲劇で結末を迎える、なんとも報復とは、恐ろしい、憎めば、憎まれるの悪循環の連鎖がサークルになっているのであろうか。後悔先に立たず〜日本語で言えば、とっても単純なのだが、皮肉すぎる。若さのむごさ・大人への成長のむつかしさ、それこそが。 　　 　

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　まず、邦題のタイトルがいい。早朝の海を、屋根からみつめるジョージの姿が反射の光を受けて輝いているシーンは美しい。
ピアスをひっこ抜こうとする父に、息子はガレージの文句を言い返す、そんな父子のぶつかり合いの中で、ジョージ自身の父への愛憎の気持ちが語られ、はしばしに息子への愛情に加え、胸にしまい込んだ限られた人生への愛着を切なくぶつけている。やがて息子は海に飛び込み、父を許して病室を訪ねると、電飾で光る完成間近の家を見せる。Ｃ・Ｓ・トーマスが「またジョージに恋したの」と打ち明ける横顔も素敵だ。絆・家・自ら「悪いことが良いことを招く」ように人生を変えていくこと〜新しい家に帰るように〜。
　古いものを壊し、新しく素晴らしい今日この日を繰り返して、自分の人生という「家〜ハウス」が建てられる、そう自らの力で。このメッセージは、破壊や揺らぎから生まれるのであろう堅実な幸福への一歩への信頼と勇気を、誰しもに届けるように思う。切ないが、暖かい物語です。 　　 　

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　とってもシンプルなストーリーのようでいて、フェイス（信仰）がからんでくるから、やや複雑に込み入ってしまう。が、後味は、単純で爽やかだった。
こんな笑顔まんまんのエドワード・ノートンはお初だったのだがさすがに上手いし、３人で交わされる目配せや会話がスタイリッシュに進行を後押ししている。男同士の、神に仕えるもの同士の絆も深く、また男だからこそ、さっぱりと仲直りしてしまう場面には、笑いさえ浮かぶ。反対に、男二人を手玉に取ったような役柄なのに、アナの、底抜けに人生に前向きなキャラクターが、嫌味を甘く薄くしているのにはアッパレというしかない。母親役のバンクロフトの存在感は堂々と健在し、また周りの信者との説教と交流場面も楽しい！冒頭で、たった煙に火を点けて、それを信者にぶつけてしまった瞬間は大笑いしてしまった。「To Be Real」「Ready To Take A Chance Again」などの挿入歌のセンスもよく、あちこちにオシャレでコミカルなショットが入っているのは、若さを武器にした、エドワード監督の才気に負っているのだろう。成功だ。上手いぞ！ノートン！ 　　 　

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　サスペンスタッチの濃度は高いが、作り過ぎて無理が感じられる点も多かった〜急に普通の医師が強くなってしまう後半部分とか、殺人との関係が不鮮明など〜。が、
ハラハラ感は最後まで続く、なぜなら、１０年もの間、ＰＴＳＤを背負ってきた少女が、他人に誘導されどこまで過去に対峙できるか？、胸が苦しいほどのフラッシュバックのシーンが巧みに挿入されており、二人の少女の行き着く先と安全について、観ている者を引き付けていくのだ。大の大人の独占欲という、お粗末な動機がいささか愚かなのだから、しょうがない。娘役の気転の利き方とか、少女演じるブリタニーの、なかなかな惹き付けられるキュートな顔（刑事役のジェニファーさんも、なかなか美人で魅力的！）を観察しながら、楽しんだ、というところかもしれない。ダグラス氏は、あくまでもカッコいい解決の仕方を、彼らしく演じきっていた。 　　 　

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　「自分を演じているあなたは幸せじゃない、変化を恐れ後悔に傷ついている」
　「気にすることはないわ、あなた次第なの」と言われた、この占いの答えに、誰しも心がぶち当たるのかもしれないですね。
　寂しくとも不倫に溺れていない振りをし、どこかで期待をしているキャリアウーマンもそうであり、小さな驚きにさえ戸惑いを感じつつ出会いをどこかで待っているシングルマザーもしかり。つまるところ、好奇心・自分から変わること・変化を受け入れること・自分を大切にして自暴自棄にならず正直に、自分の内面で「寂しい」と「感じていることを感じること」この感じること！というところがポイント！（「さみしい」と発作的に友人にメールを打つのと、静かにたったひとり孤独の中で「感じる」ということは全く別ものなのだから）、、、、。そういった新天地に、手を広げ立ち向かえば、運命の男性はおのずと現れて来るということかしら？もし孤独なのだとしたら、あなたはいかが？孤独とどう付き合っていますか？ 　 　　 　

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　えも言われぬ戦慄が、じとっと冷たいままの後味を残す。
レクターの三部作の幕開けでもあり、三作の中では、最も恐怖感が迫って来た。グレアム演じるノートンの、レクターに引き付けられる心理と表情の上手さ、レクターを慕い手紙で接触を図っている犯人ことＤを演じるレイフの、虐待による底深い怯えから生まれた、誇大妄想に打ちひしがれる姿、ホプキンス演じるレクターの、冷静に言葉遊びに翻弄させることを楽しむ異常な狂人ぶり、また捜査官を淡々と演じるカイテルのキャラクターも、まったくもってキャスティングに成功している。二回観たが、何度観ても、新聞記者を拷問するシーンや、ドラゴンの絵を食いちぎるＤの形相には、ゾーッとしてくる。
　ともあれ、単純にサスペンスとしても、サイコホラーとしても、完璧に近い上出来だと思う。「想像力の代償は、恐れなのだ」というレクターの台詞ほか、脚本にも神経が行き届いており、いちいち神経回路にビンビンして来る。逆撫でされる神や人間への信心。虚像なのか現実に起こりうるのか？、惑いつつも、殺戮に近い人間の行為をのぞきながら、狂気の発端の可能性のありかを探る、観ている側の「中」でも、交互に行き来してしまう現象とは一体何なのか？というオソロシさ。感じたのは、わたしだけなのだろうか？
　深入りするのはいけませんね。ただし、グレアムの言葉にもあったように、Ｄが深入りしてしまった彼女への接触の感覚、少なくともそれは人間的であったのであろうと思うと、とても悲しい結末なのであり、それは最後に彼が守りたかったのは、本当の自分の愛すべき愛されるべき者の存在だったのだろうと、「想像」してしまえばなおのことなのである。 　　 　

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　アメリカ本土でのプロモーションの表紙が、ケイト・ハドソンを起用しているように、彼女の魅力を乗せたビデオ・クリップでもある。実際、瑞々しくキュートな笑顔を忘れないティーンエイジャーを、いきいきと演じていて魅了される。飛行機でＮＹを去る時のどこか寂しい横顔、ウィリアムのアドレスを教えるという気の利き方。　「現実〜リアル」に戻った彼女を映すことは、誰にも出来なかったことなんだろう、と思う（監督本人でさえ)。
　〜わたしの”モロッコ”は、何処なんだろう？〜と、
　自分自身の憧れと、「リアル」な現実の世界へと、心・魂へと問いかけ、
　想い描いたのは私だけではないはず。 　 　　 　

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　実際に起こった事実と、男の妄想とが混在して、見ている者を惑わす。
　確かに「本当のお母さん」を殺したのだとすれば、それは、いわゆる親離れの儀式としての母殺し、ということなのか。あるいは、酒場で目が合った女への憧憬の思い・性への衝動としての逆影なのか。
　実は酒場で酔っていたのは母の方だったのか？あるいは父への憎悪が反映して、母を現実から抹殺してあげようとした気持ちだったのか。あるいは、「産んだ卵を振り返らずに去る」蜘蛛のたとえ話を本気に取った少年の、「捨て去られ」ることへの恐怖心の反動なのか。
　ともあれ、宿の主を最後には襲えなかった男の、届かなかったキスという、含みの重いタイトルである。
　少年のニヒルで哀しい微笑みが、ゆっくりと現実へと走り出していく姿が、映されたラストが目に焼きつけられる。
　レイフ・ファインズの、また切り口の違った一面（真に迫った快演)に、惹き付けられた。上手かったぞ、ラルフ！ 　 　　 　

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　また、キレイなピュアな物語りと出会った。
フィリッパ演じるケイト・ブランシェットのミステリアスな美しさ、また彼女にひと目で恋してしまう純粋な青年フィリッポを演じるジョバンニさんの魅力。
　父親の仕事であった憲兵になりたてのフィリッポが通訳しているうちに、彼女を逃亡させようとテープをしかける。独房さえ監視されているので、そのテープの声も警察には筒抜けだが、
計画を予想せず変えたフィリッポは言う、「父に言われた、ここぞという時には、思いもよらぬことをしろ、と」と。憲兵の館そのものの中で一夜を明かし、隣で眠った二人が目覚めるシーン、逃避行の間に髪を剃りあげた二人が、道端で抱きあうシーン、そして、「Now！」と、ヘリに乗り込むシーン。どれも静かだが、息を呑むほど印象に残る。フィリッポの父親が言った「一番大事なときに、なぜ人はこうも無力なんだろう」という台詞もハートに響く。
どこまでもイノセントな恋の物語として、秀逸な作品である。 　 　　 　

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　実際のバンドと思わせるだけ、この劇中で演奏された曲たちは、全く素晴らしい！のひと言だった。（早速、サントラを買います！〉
　脱走と追跡劇としては、多少無理がある点もあるけど、刑事たちがいつ踊りだすかと思わせるほど、エネルギッシュで自由奔放な演奏ロードムービーである。
主人公それぞれのドラマも織り交ぜ、単なる「友情」に終らない、傷ついた者同士の結束感が満ち満ちている。ドイツの作品独特の、スピーディーなカメラワークと若々しく今を生きている実感が伝わってくるドラマ、音楽が好きな人は、観た人誰でもが元気になり魅了されるに違いない！

　タイトル曲の「PUPPET」、そしてラストで印象的な「CATCH ME」、後者は、
ドラミングを３人で演奏した時のリズム感が凄くいい。
そして、ルナこと、作者ヤスミン・タバタバイによる、ギター弾き語りの「Another sad song」もいい！
映写に訳詞が載っているので、さすがに実写のクリップを観ながら聴くのが一番だったかも。しかし、私は、「バングルズ」のファンでもあったので、女性４人組のバンドっていうと、放っておけないのだ。役を演じるとしたら、悲しい目をしたルナもいいし、エンジェルもキュートだし、エマがもちろんリーダー格でカッコいいのでねらい目だけど、
　実際は、心象的には、最後に３人を迎えた、マリーの悲しみ・失意・混乱・その中でつかんで離さなかった喜び〜演奏する〜を、自分自身で、やってみたい気持ちだ。
　焦り・怒り・罪悪感・虚脱感・そこから突発的に生まれた、逃避のようで、逃避と言い切れない旅の途中や真っ只中で、「憧れ」を再び掴んだ彼女たちの感じた「自由」を、唄い、踊った気持ち、その場所へ寄り添いたい感情は、私の憧れに似ているからなのだろうか？ 　　 　

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　豪華な顔合わせで、コミカルなヒーローたちの活躍を描いた、ギャグ満載のアドベンチャー。
　シャベルマン、フォーク投げ、怒り心頭の男、ボウラーの娘、おならの達人、透明人間志願者、そして、彼らを指導した男や武器の博士など、おかしなキャラクターたちの吐くの台詞の数々、オバカなギャグや腰が抜けるくらい脱力した振り付けには、笑いも脱力系だった。個人的には、おならの達人の、こまかなところにも役にハマリ込んだ、真似できない個性的演技がおかしかたったわ。ウィリアム・Ｈ・メイシーの真面目な顔のアップも、ケッサク。 　 　

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　マルタンの秘密を聞いたアリスの葛藤と行動、そして下した決断は、マルタンと共に生きていくことだった。
繊細な青年が、厳格な父との確執が引き起こした事件、秘密を口外することを拒み家名を第一に守ろうとする義母、知らなかった事実を隠されたことに「裏切り者」とののしるしかなかった実母。どの人間からも、事実からも逃げず、裁判への段階を踏んで行く、アリスのエネルギーが凄い。
不安定な心をどうすることもできず、泳ぎながら、溺れていく「ふたり」。マルタンの苦渋の決意を支えたアリス、そして、彼女の下した結論が、またマルタンを支えることになる。「君がいてくれれば、それだけでいい」。手紙に書いた気持ちは、幼くも愛に溺れてくれた青年へ、真摯に向き合った女性への、最初の愛の言葉だったかもしれない。スタートが、「裁判」になった皮肉もあるけど、ジュリエット・ビノシュのピュアな愛への決意をうかがわす横顔には、魅了される。 　

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　政治運動家の元恋人としてフィリップ・Ｃ・ホフマンも登場している。
そんな彼が、再びやり直そうともどって来ても、無視した彼女の心情には、誰もが共感するところ。寂しいとはいえ、後戻りはできないのだ。
この男とは対象をなして登場するアランこと、ボランティアをしながら、ひたすら夢のために勉強に励む男性は、言葉にも素振りにも、自然体で生きようとしている姿がよく見えている。私の私見からすれば、このふたりの未来では、彼女の方が振られる確率が高そう（苦）。
実は、亡くなった父の面影に翻弄されているファザコンの彼女の心を、満たせる男になれるために、アランがどこまでその世界についていけるのだろうか。
ふたりが初めて歩いたのは、彼女が愛した父の愛した、美しいもの＝誰もいない海だった。初めて、繰り返し聞いて来た本の一節を、ありのままに語ってくれた、アランをみつめたときのエレンが、一番素直に見えた。ふたりの交わした会話と海が、ふたりを結ぶ何ものかになってくれそうで、美しいラストでしたね。