黄金色の太陽は


  こがねいろの太陽は よろこびとたのしみにみち、
  ままならぬわたしたちは そのかがやきに
  よみがえりの めぐわしい光をうける。

  わたしの頭と からだは その下によこたわっていた。
  しかし いまはたちあがって、
  心ほがらかに はれやかに
  顔をあげて 空をながめる。

(中略)

  神のすくいと みめぐみは そこなわれることがない、
  わたしたちの心の
  たえがたい いたみをいやし
  わたしたちを この世で またとこしえに やすらわせたもう。


  十字架も 苦しみも ここでおわりをつげる。
  あれくるう海も たちさわぐ風も おさまって、
  あこがれの 日の光が ここに輝く。

  みちあふれた よころびと きよらかな静けさ、
  空の園生で わたしの待つのは それ。
  その地へと わたしの思いはこがれる。









     引用「アルプスの少女ハイジ(第一部)」偕成社文庫3030 1977年版 訳者:国松孝二・鈴木武樹 原作:ヨハンナ・スピリ

     「ハイジが初めておばあさんに読んだ詩」 

2007 / 09/ 07/