忘れられない
忘れたいのに

世界でひとつ敷き詰まった
銀杏の絨毯のうえ踏み走る

否定しないで
謝らないで

ぎこちない距離に立ち並ぶ
信号待ちの人々の群れが

この季節をやり過ごすために

繰り返していく
意味のあること

千切れそうな耳フードを被る
あおった風がまたそれを払う

手を当てながら不安定に走る
あおった風がまた肩を冷やす

もてあそぶ
思い出が

溢れてから消えていった

私の胸の輪郭に固まらせて
凍りゆく雨の小道に添って

ぎこちない距離に立ち並ぶ
信号待ちの人々の群れ

寄せ集めて
書き成らす

この季節をやり過ごすために

走り続けていけば

やり遂げられる












 by   metoeruri  2012 / 12/ 01 /