素直に書こう

ともに連れて来た花を添えて

青に青を薄く束ねる

気持ちのままに
素直に書けば

ともに行き分けた衣を羽織って

温に温を軽く重ねる

やわく堪えて来た涙を打って

水に水を淡く薄める


気持ちのままに
素直に書けば

それはまるで道端でみつかった花

ひっそりと独りで居たかっただろうに

張りつめた切なさ

締めた緒がもろくなって

歩きすすめられなくなった人に

そっと見止められてしまったように


滲んでそして染まっていった青が

また青く目映く雲を静かに押していく


交わした微笑みが閉じるドアをそっと

引いてしまう


ひっそりと独りで居たかったのだけれど

色無い空の向こうを知りたくなってしまう

素直に書いて

何故 どこから

引き止められる力が働く



一目だけ今夜吸い込まれてしまいたい

なんて素敵な眼差しなのだろう













 by   metoeruri  2012 / 10/ 22 /