まぶたを叩く 亜麻粒
君の町でも 降っているだろ

錆びた サイクルを漕ぐ
耳を塞いでは 泣き始める

風が立つ

嵐の中を歩いてしまった
肩を寄せ合ってしまった

夏はまたたく間で
気がつかなかった

晴れた日を想い出す
みつからなかった陽気を

君に問い正してしまった
君に探しては

会える日は遠くなく
気がつかなかった

秋が来た


小声で 君を呼んでみる
切り裂けたように 消える

晴れた日を想い出す
もどかしかった距離を

君にとても近づきたかった
君に求めては


僕は からっぽのポケット

枯れ葉が 舞って

まぶたを叩く 亜麻粒

君の町でも 降っているだろ

君の町でも


暗い夜道

手を振ってでも

送って行けばよかった

手を振り切ってでも


今は思い直すよ

気をつけて帰ってね

気をつけていてね

元気で いてね

September











 by   metoeruri  2012 / 09/ 27 /