追い手の雲往きをさまよう
ひときわな月を見のがした

寂しくはないわ
痛々しさとも違う

去り際に忘れた贈りもの
過ちだけには鋭く心光らす

別れた流れに沿ってまた流れる

寂しくはなかった
産み暮れた哀しみ

いつになっても
生まれたてな哀しみ

ようやく漕ぎ出した海に広がる

手応えに返って来ない声だけが

ゆらゆらと

ゆらゆらと

私の身体を気持ちに傾けて

つながっていく

続いていくもう

求めたりしない

悲しかったのは

君の方

ようやくわかり合えた
とうに許されていた

初めて

じわじわと注す陽の光が言い当てる

It may be the truth













 by   metoeruri  2012 / 05/ 09 /