降れないでね
近づいた流れが甘雲でも

貴方が結んでくれた手綱を
落ちないしっかり握っているから

私が宿りに走る野木下に
濡れない痕を駆け寄り来るから


許されない朝をひとつ
迎えたくて泣きたくなる

一夜で欠ける十五月を
曳き充てたい切なになる


冷めないでね
微笑った息音が引波でも

貴方が渡してくれた新しい
明日をしっかり見つめているから

橋元に戻り帰る
残した環影が

綺麗だわ









 by   mito-rino  2011 / 10/ 14 /