芳しいその実にも私は
ひそやかに異議を唱える

綺麗な成り事を教えられて
鈍った世界から遮断された

取り返さなければ

ハジかれたサークルの刺に
引っかかって回るこの胸元を

優しく指注し突き帰した
君とゆるやかに別れ愛した

間違いのないドアに閉ざされ
有感な世界から囲われた鳥

濁った水溜まりを清す

青い縮熟

奪い返さなくても

永遠も後悔もなくなったこの宇宙に

浮き放たれた

今は幸福な

私は羽ばたき









 by   mito-rino  2011 / 10/ 07 /