食べることも忘れてるよ
いくらあっても足りない

だるい昼間をやり過ごし
待ちに待った夜が来ると

見なくても済んでいた風景が
僕の中回路繋がって光り出す

それは匂う跡形も残さず
眩しいまままた消滅する

粘り弱く呼び留めるから
君は決まった帰り道に着く

どの壁この壁透き越したら
君の世界駅馬車に声届く

どの宙どの空突き上れば
君の世界果ての先に破れる

僕の中に居るのならのなら
遇わなくて済んでいく偶然が

欠けていて済んでいく心象が
僕の中火石擦って稲妻に裂く

僕の勇気は後ずさりするから
とうに君は帰り道に着く

いつも帰り道に着いたあと

君が


僕が目覚めたい時がやって来ているのに

君は

僕を貪欲な犬のように空手招きする

君は

僕がまるで断ったように交そうとしない

君は

僕に冷めたような会釈を拭き去る

僕は

僕の冴え渡った瞬間の意味を問えない

僕は

僕の露呈した告白に堪えきれない

まるで

僕は僕のその瞬間の意味がわからない

わからない

僕は僕がどうしたいのかわからない

僕は僕がどうなっているのかわからない








 by   mito-rino  2011 / 08/ 23/